巻頭言

佐藤 岳哉 教室員会 管理運営検討委員会 部長
佐藤 岳哉 分子薬理学分野

 平成24年度教室員会管理運営検討委員会の部長を務めております佐藤です。今期の教室員会は、奈良委員長を中心として、例年以上に活発な活動をしています。この教室員会の実務を担当しているのは、教室員の皆さんと同じ、医学部および大学病院で普段、業務に携わっている医師・教員です。毎週、火曜もしくは水曜日の夕方に、業務の都合を合わせて時間を作り、書記局会議を開催しています。そこで教室員会の各委員会からいろいろな話題が提供されます。この話題の中に、困っていること、改善を要することなどがあると、それに対処するために、医学部や病院の関連するところに要望・意見などを挙げています。これらの活動により、改善されてきている点(例:この夏に開店予定の病院内コンビニエンスストアの設置など)などを、皆さん身近に感じることがあると思います。この意味から教室員会は、組織の風通しをよくし、大学病院および医学部で働く方がより働きやすくする組織だと感じています。ずいぶん前になりますが、私が教室員会に入ったのは、単純に教室員会が所有する大型プリンターを使用して、大判ポスターを印刷するためでした。最初はそれ以上のことは感じていませんでしたが、今年度書記局会議に参加して、教室員会の活動を間近で見ていますと、先に書いた教室員会の存在意義、そして教室員会構成員の皆さんの働く環境を良くしていこうという姿勢を強く感じます。
 私は、医学系研究科の基礎医学部門で日常は主に研究と教育に従事しております。研究室では、教授や他のスタッフ、大学院生や学生とともに、過ごしておりますが、その中でも、いろいろな問題が起きます。この問題に対処するために、スタッフで対処しています。これらの対処は、いわゆるスタッフの“経験”によっていますが、いろいろな問題が、当分野に特有のもの、それとも他の分野でもあるもの、ということがわからないこともあります。教室員会の書記局会議で問題提起されることが、書記局を構成している方の関係上、大学病院からのことが多いです。そのため、医学部内で起きている問題などについては、あまり話題に上がっていないように感じます。問題点の解決について、分野内(医局内)で処理できる場合は問題ないですが、そうでない場合には、問題提起の場所の一つとして教室員会があるので、医学部に所属されている方も是非、教室員会の存在を認識して頂きたいと思います。特にこれから数年間にわたり,星陵地区の建物の再配置や駐車場の建設といったことが続き、星陵地区への通勤手段の変更や職場の場所の移動を求められることもあると思います。これらの要請に対して、意見を挙げていく手段として、教室員会を利用することを心に留めておいてください。星陵地区で、気持ちよく働き、オリジナルな研究の遂行、質の高い診療・教育の提供により、東北大学医学部と東北大学病院の存在意義を高めていくためにも、皆さん、教室員会をもっと利用してください。




平成25年度 教室員会 委員長/副委員長 選挙結果報告
                                                          選挙管理委員会

 委員長選挙決選投票の結果は、下記の通りでした。

 
当 選内藤  剛氏(肝・胆・膵外科)
次 点遠藤 千顕氏(呼吸器外科)


 また、副委員長選挙の結果は、以下の通りです。

当 選杉村 宏一郎氏(循環器内科)
 森川 孝則氏(肝・胆・膵外科)
次 点中川  圭氏(肝・胆・膵外科)




平成24年度 病院長との懇談会
                               管理運営検討委員会   部長 佐藤 岳哉 分子薬理学分野
                                              副部長 多田  寛 乳腺内分泌外科

 平成24年度教室員会と病院長との懇談会が11月7日(水曜日)17時から仮管理棟4階の第1会議室で行われました。

議題
1. 自科麻酔の件
2. 病院職員食堂について
3. 院内コンビニについて
4. 病院駐車場に関して
5. 院内保健室に関して
6. 女性休憩室に関して
7. エレベーター運行プログラムの件
8. 3号館の女性トイレの件
9. 必須講習会のe-learning化について
10. 施設の改修スケジュールについて
11. 星陵地区における各部局の連携について
12. 電子カルテについて
13. 倫理委員会について


出席者
【教室員会側出席者】
 委員長:奈良正之  副委員長:國島広之  副委員長:森川孝則  書記長:内藤 剛
 福祉厚生部部長:田畑雅央  広報部部長:佐藤 大  教育問題対策部部長:杉村宏一郎
 研究問題対策部部長:青木洋子  診療問題対策部部長:三須建郎
 管理運営検討委員会部長:佐藤岳哉  管理運営検討委員会副部長:多田 寛

【病院側出席者】
 病院長:下瀬川 徹  総括副病院長:笹野高嗣 
 副病院長:張替秀郎  海野倫明  呉 繁夫
 MIT副部長:國井重男  看護部長:門間典子  各課(室)長


●奈良 今日はお忙しいところ、お時間を作っていただきましてどうもありがとうございます。
 それでは、早速始めさせていただきます。
●病院長 4月から病院長をやっております下瀬川です。よろしくお願いします。今日はぜひ有意義な話し合いにしたいと思います。病院としては、5つ柱を掲げて4月からスタートしています。その1つの柱に、院内の全ての職員の方々の就労環境をよくしたいことを掲げていますので、こういった機会にいただいた意見を反映させて、よりよい就労環境を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 奈良先生、進行をよろしくお願いします。

病院長との懇談会-1


【自科麻酔について】
●奈良 それでは、早速始めさせていただきます。
 まず、自科麻酔についてお話を伺いたいと存じます。
●多田 自科麻酔の件について問題解決についてどのようにご検討されているかをお伺いしたいというふうに考えていますけれども、いかがでしょうか。
●病院長 自科麻酔の問題は、長い本院の懸案事項で、全国各大学の自科麻酔比率を調べたところ、東北大学病院は突出して多いです。自科麻酔を担当されている主に旧第1外科、第2外科の先生方に大変なご苦労をおかけしている。患者さんにとっても何故麻酔科のお医者さんに麻酔していただけないのかというのは問題だと思っています。
 本院としても、なるべく早くに自科麻酔ゼロを目指して体制を整えていきたい、それは非常に強い思いです。問題点の1つは、麻酔科の体力です。麻酔科問題が本院で発生してもう大分時間がたちますけれども、その間に全国にこの問題が波及して社会問題になった。それくらい大きなことでしたので、回復には病院としてもかなり慎重な対応が必要です。そういったことがあって、慎重に、麻酔科の体力を見ながら、手術室の運用を今までやってきています。皆さんも実感していると思いますが、少しずつではあるけれども、自科麻酔を減らそうと、麻酔科の先生方、皆さん努力されています。しかし、急に大きな改善が見られないので、どうなっているのだろうという思いが強いかもしれませんが、病院としても最初にお話ししましたように、慎重に、自科麻酔ゼロを目指して、今後も十分努力していきたいと思っています。
 外科医不足と叫ばれた時期が今でも続いていると思います。そういった中で、若い先生方や中堅の先生方によって自科麻酔を行う労力をとられるのは、診療科に対してご負担をおかけしているということを病院としても重々承知しています。全力を尽くして、改善には努力していきたいと思っています。状況は、決して悪くはなっていなくて、徐々によくなっている。麻酔科医も増えてきていますし、認定を受けられている先生も増えてきていると聞いているので、新中央診療棟が完成する2016年を目指して、院内の手術環境を改善していきたいと思っています、もう少し時間をいただきたい。海野先生、何か追加ございますか。
●海野 自科麻酔をしていただいている各科には、本当にありがたいなというふうに思っています。麻酔科麻酔は、大体毎日6から7列程度ということで、私はもう1~2列ぐらいで8列あるいは9列になると恐らく自科麻酔がゼロになると思っています。麻酔科の医局員の方々も増えているようですので、私は、希望的観測ですけれども、自科麻酔ゼロはもう少しで出来ると思っております。
●奈良 では、続きまして、病院食堂についてお伺いしたいと思います。

【病院食堂に関する要望】
●多田 病院食堂ですけれども、辛酉会の運営食堂がリニューアルされまして、かなり改善が見られていますが、メニューももう少し増やしていただきたいと希望します。また、タニタ食堂ほどとは言いませんけれども、健康課題を考えてほしいと思いましたが、今日の食堂を見ましたら、タニタ食堂風定食が出ていました。改善されているなと思います。
 また、開店時間が以前は朝7時でしたが、最近は7時半となって、勤務の関係で7時半では利用できない場合もありますので、もとに戻してくださるようお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
●病院長 私4月まで辛酉会の会長をやっていましたので、いろいろな事情をよくわかっています。私は辛酉会の職員食堂の大ファンでして、以前はとてもおいしいなと思って欠かさず毎日食べていました。4月に病院長になってから、病院の検食をいただくようになって、リニューアルされてからほとんど行っておりません。辛酉会はいろいろな意味で、経営努力をし、病院職員の皆さんや患者さんに対して、サービスをすることを大事にしています。職員のためにいろいろなことに耳を傾けて、改善するところは改善してきました。その結果として健康的な食事、新しいメニューなどにつながっていると思います。今後とも、メニューに関してはさらに改善すると大友さんから聞いていますので、少し見ていただきたいと思います。また、ぜひ皆さんの意見を辛酉会に伝えて下さい。辛酉会は、それには必ず最大限の努力をして対応すると思います。辛酉会も病院の一員として皆さんのために尽くしたいという気持ちは職員の方は強く持っています。去年の地震のときにも、沿岸部出身の職員の方がいらっしゃって、涙流しながらおにぎり握っていました。病院と一体になって機能すると、大きな力になると思いますので、ぜひ皆さんのいろいろな要望をわかりやすく伝えていただいて、それを実行していただくような雰囲気を作ってほしいと思います。
 それから、7時からの早朝の営業をやってみましたが、実際は、ほとんど利用されていませんでした。7時から7時半までの利用率が1日二、三人という報告が辛酉会のほうから来ています。早朝から開店するためには、職員の方々が早く来て仕込んだり、努力しないといけない。効率を考えたら、続けるのが難しいということで、7時半に戻したのではないかと思います。次のコンビニのこととも関連してきますので、それくらいにしたいと思います。
●張替 タニタ風定食は、実際にタニタを意識してカロリー表示をつけるようにしましたが、味がまだタニタほどでないと随時言っています。あとメニューが少ないことについても言っているので、それは改善されると思います。辛酉会食堂のイメージがみんなにこびりついているみたいで、急速な客足の増加になっていません。院長がおっしゃるように、ご意見の紙みたいなのを置いて箱を置くようなことも考えてもいいかなとは思います。
●奈良 ありがとうございます。私、当直していた頃は、当直明けに辛酉会の食堂で朝食を食べていました。とても便利に思っていましたが、今先生がおっしゃった「効率性」を考えると確かにそれも大事だと思います。しかし、我々職員の中には、早い時間にミーティングがあって、当直明けに辛酉会食堂で朝食を食べてからミーティング参加したいものもおります。今までは食べられたのに、7時半になったために食べられなくなったということがあったものですから、提案させていただきました。今後、大友さんとも相談してやっていきたいと思います。
※後日大友理事と相談しました。その結果、予め前日に辛酉会に連絡すると午前7時に朝食を提供していただけることになりました。

●病院長 要望には、耳を傾けるはずですので、いろいろなことをお伝えください。
●森川 7時半の話を提供したのは、私ですけれども、辛酉会の朝定、あれは実際かなりクオリティーが高いと思っています。7時からお客が来ないのは宣伝の努力が足りない部分もあるのではないかと思います。あれは結構きっちり食べると僕らの年齢になるとすごくおいしいです。前の日から、あしたは何だろうというような気持ちが本当にあったりするような。朝定食はすごくコストパフォーマンスといい、味といい、良いのでもっと自信を持って、むしろ宣伝のほうに力を入れていただくといい方向にいくと思います。
●病院長 前に猿橋さんにちょっと宣伝が足りないのではないかという話はしました。しかし、利用客がなかなか集まらないということで決断されたと思います。今度、もう1回申し上げてお願いしてみたいと思います。
●奈良 ありがとうございます。

【院内コンビニについて】
 それでは、院内コンビニについて。これについては先生いろいろご尽力いただきまして本当にどうもありがとうございます。
●田畑 教室員会でも長年の懸案だったですけれども、このたびは院内コンビニの設置を決定していただきまして心から感謝申し上げます。辛酉会のご関係者の皆様のご理解に関してもお礼を申し上げたいと思います。設置に当たりまして、患者様、職員にとって使いやすいものになるように、今後、業者や営業時間等詰めていかれるかと思いますが、ぜひ速やかに実現していただけましたらと存じます。参考までに教室員会で行ったアンケート結果も添付しました。
●病院長 コンビニに関しては以前から強い要望があって、何とかしたいと思っていました。一番私が気にしていたのは、コンビニ導入により辛酉会の職員の方がどのような影響を受けるのか、職場とか、あるいは辛酉会の収入とか、そういったものがどういうふうな影響を受けるのか心配していました。特に職員、若い職員もたくさんいますし、そういった方の職場がなくなることだけは絶対避けたいということがありました。コンビニを設置している大学、山形大や旭川医大は、市街から離れたところに病院が建っていて、院内にコンビニがないと難しい環境だと思いますが、ここ星陵地区に関しては、ざっと見渡しただけで東西南北にいろんなコンビニがたくさんあって、出勤前または勤務時間の休憩時間に必要なものを買うことも可能だと思っていました。しかし、皆さんの話を伺いますと、やっぱり不便だと。道路挟んで向こうに行っても、院内のPHSがつながらないとか。そういったことを考えるとコンビニを設置した方がよいだろうということ、それから、運営形態も現在の職員をコンビニのほうに異動するということも聞いていますし、あまり影響がないのではないかということがわかってきたので、大友さんと話をして、強い要望があるからということで進めることにしたということです。
 今後、11月いっぱいぐらいまで内容を検討しまして、12月に事前ヒアリングと募集要項の準備をする。来年の2月に公募掲載をして、審査委員会とかプレゼンテーションを経て、5月に公表して準備、夏休み明けぐらいに営業を開始したいというスケジュールで準備を進めています。ある程度問題点を整理しないといけない。院内での営業時間、どれくらいの時間がいいのか、それから、夜間の安全性の問題とか、いろいろな問題があると思うので、そういったものを整理した上で、よく検討して進めていくよう話しています。
 営業時間に関しても、24時間やっているところは、国立大学法人の中では4つだけです。大阪大学、旭川医科大学、東京医科歯科大学と山形大学です。あとは21時、22時までとか23時までとかいろいろあるので、ここあたりに関しては夜間の安全性、あるいは利便性、利用率、そういったことを考えて、いろんなところと条件を話し合った上で決まると思います。今回の教室員会のアンケートの結果は大事なデータだと思いますので、それは辛酉会のほうに伝えて交渉の材料にしていただきたいと思います。せっかく入れるのであれば皆さんの要望をきちんと伝えて、こういった内容、こういったサービスをしてくれるところにしてほしいと言われたほうがいいと思います。
●張替 院長がおっしゃったように、コンビニの経営はロイヤリティがすごく高いので、経営的なところも考えなければならないところがあって、ヒアリングをして決めていくということです。あとは今の売店のところを転用して開くので、スペース的には決して大きくないコンビニになるので、どういった中身にするのかというのをこれから考えるというところです。
●門間 営業時間ですけれども、アンケートの結果を酌み取っていただいて、実際に患者さんたちを預かる看護部としてはどうなのかというのを師長さんにお話を聞いてみました。コンビニが入るというのはいいと言う意見ですが、やっぱり患者さんの安全をちゃんと見られる時間帯に開けてほしいということで、24時間に関しては看護部としてはちょっと難しいかなということでした朝6時、7時ぐらいから消灯までという意見が大半だったので、今後検討するときにちょっとそれも併せて考えていただければいいと思います。あと、セキュリティーをつけて、例えば職員だけが中に入るとか、いろんな案はありますが、いろんなことをやるとなかなか難しくなるので、24時間が本当に妥当かどうかというのは今後の議論が必要と思います。
●奈良 コンビニの利用者は教室員会のメンバーだけではなく、看護部の方々、患者さんや患者さんの家族もいますので、理想としてはアンケートを幅広くとって、実際に反映させられればいいのかなと思っています。
●門間 職員だけが利用するのであればいいのでしょうけれども、ただ、実際に夜に患者さんを探しに行かなければいけないとか、そういうことも出てくるので、それも併せて考慮して下さい。
●奈良 教室員会からの要望はあくまで私たちの希望ということです。実際に利用されるのは私たちだけではありません。看護部長さんおっしゃったようなことも踏まえて運用されれば良いなと思っています。どうもありがとうございます。

【病院駐車場】
 続きまして、病院の駐車場についてお伺いしたいと思います。
●田畑 病棟の病院の職員駐車場が、駐車許可台数に対して少ない、まさに不足している状態です。特に、外勤からそのまま大学に来る際に駐車できる場所がなく、空きを待つ時間を無駄に過ごさなければならないことがあります。また先日緑化交通委員会で、医学系研究科の石田広場の駐車スペースが今後、数年間減少する状況が続くと伺っております。今年度から委託業者への駐車許可証の発行枚数を削減、並びに製薬会社等への許可証発行の停止がとられております。来年度から許可証の発行距離が3キロメートルになる予定と伺っておりますが、なかなか根本的な解決は難しいかと思います。公共交通機関を利用するということが大原則だと思いますけれども、公共交通機関の便が悪いところもありますし、また、早朝からの出勤、深夜まで働いている職員もおります。敷地の問題で難しいところは重々承知しておりますが、今後、駐車場に関する展望をお聞かせいただければと思います。
●病院長 これに関しては非常に頭が痛い。星陵地区自体がもう飽和状態ですね。皆さんご存じのとおりです。今後、星陵地区をどういうふうにしていくのかは大きな問題です。特に、メディカル・メガバンクの大きな建物が南西の一角に建てられますけれども、その工事が始まると、あそこに駐車している基礎系の先生方に影響が大きいと思いますが、工事中は使えなくなります。将来的には石田広場に、5層6段の立体駐車場を造るという考えもありますが、それまではメガバンクを建てるところの駐車場も潰れた分、石田広場で台数を確保しなければいけない。かなり無理な計算をして、ぎっちり駐車して何とか、工事に伴うスペース縮小の影響を最小限に抑えるような感じでやっています。
 新たなスペースを探そうとしても、もう無理なわけで、工事も始まっています。私も入って、大内、荒井先生たちと施設整備委員会の中で話をしました。向こうの方針がある程度決まってきたので、小林先生に緑化交通委員会を開催していただいて、病院側の対策を考えました。基礎系の方の駐車場に病院の方がどれくらい駐車しているか、その台数が正確にはつかめていなかったので、それを調査の上、当面の対応を今回出しました。25年度に、医学系研究科の方が3キロメートルまで距離制限を厳しくするということですので、25年度に関しては臨床系のほうにもそれに足並みを揃えることになりました。日中の時間帯と夜間の時間帯とで、調整もあるようですけれども、これに関しては皆さんに協力をお願いするしかないだろうと思っています。
 ただ、我々としても何とかしないといけない。メガバンクができると、もっと駐車場のスペースがなくなる。海野副病院長が中心になって交渉していますけれども、今できることをとにかく検討しています。例えばこの周辺の駐車場を借り上げるとか、数に限界があるので、どれくらいそういったことが可能なのかよくわかりませんけれども、一応考えられることはやってみます。それから、医学系研究科の方でも、これまで利用されていなかった狭いスペースにも駐車するとか、対応は考えているようです。それも限界があるので、昭和舎の跡のスペース、あそこに立体駐車場を造る、あるいは病院内の敷地でも、今ある2層3段の駐車場をさらに高層にするとか、北東の角のスペース、将来的に中央診療棟が建つところですけれども、そこに立体駐車場を建てるとか。ただ、工事をするためにはその逃げ場を造らないといけない、時間的な段取りをしながらやっていかないといけないので、すぐに一気に解決するわけではなくて、これから相当の間、辛抱はしないといけないのかなと思っています。
 いいアイデアは、なかなかないので、できるだけ皆さんにご迷惑がかからないように、それから、駐車場が少なくなった場合の混乱というか、実際の影響を見ながら、その場で対応することも必要になってくるのかなと思っています。長期的にはこの近辺に広いスペースが手に入ればいいとは思っていますが、なかなかそれも難しくて。里見先生にもいろいろなことをご相談はしていますけれども、果たして実現するかどうかわからない。頭を痛めているところであります。海野先生、どうですか。
●海野 昭和舎の跡地を高層化するというのは、もちろん念頭に置いて考えていきたいとは思っていますが、その工事をするときに、昭和舎の駐車場が使えなくなるわけで、そうするとほとんどの人が車で通えないということも十分ありますので、半分ずつ高層化するとか、いろいろ考えてはいますが、着工まではもうしばらくかかると思います。また、メガバンク棟ができるまで、駐車場が非常に足りなくなる。そしてメガバンクができた後、石田広場に5層6段の立体駐車場ができ、少し余裕ができますが、実は外来の患者用駐車場が既に耐用年数を過ぎており、それを造り直すのも実は喫緊の課題です。いろいろと案を考えて努力はしたいと思いますが、駐車場の状況が急にすばらしく回復することはあり得ないということです。ですから、根本的な解決法は、皆さん健康のために少し歩きましょう、というぐらいしかないのかなとは強く思っているところです。
●病院長 メガバンクと6号館の建物の地下駐車場を提案したことがありますが、地下駐車場は、とんでもないお金がかかります。屋上駐車場はどうかと提案したら、あの建物自体が屋上には駐車することはできないという条件で建てるということです。ですから、建物が建つあのスペースを駐車場に利用することは無理です。

【院内保健室】
●奈良 次に、院内保健室についてお伺いいたしたいと思います。
●田畑 現在、職員が体調を崩した際は、通常どおり外来の受付を通して正式な受診が必要となっております。以前から、このような際に気楽に受診できる保健室的なものがあればいいのではないかという意見があります。教室員会のアンケートの結果、院内保健室を利用したいという人が半分ちょっと、利用しないという人がそれなりにおります。自由記載の中で、保健室は要らないが、優先で院内各科を受診できるようにしてほしいとか、初診に係る費用の徴収をしないでほしいという意見がありました。院内保健室に関しましてどのようにお考えになるか、お聞かせいただけますでしょうか。
●病院長 医療職の方は、果たしてこの病院の中で顔見知りに診察してもらいたいのか、人によって違うと思います。意外と皆さん、近くの開業医の先生のところに行ったりとか、あるいはお薬をもらったりとかしているようなので、一律にはいかないでしょう。やるとなると人的な投資とかスペースとか必要になってくるので、院内保健室の設置に関しては本当に必要かどうか、よく考える必要があります。ただ、院内で何かあったときに優先して診てもらえるような体制は作らないといけないと思います。例えば救急車で運ばれてきたときに優先して診てくれるかという体制に関しては、ある程度は整えていかないといけないとは思いますので、今後皆さんとも話し合いながら、考えたいと思っています。
●奈良 実際、私のところに職員の方が受診にいらっしゃることはあります。そのときに職員から初診料として3,150円取るのは何とかならないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。普通の診察料は取ったとしても、紹介状なしの初診の3,150円だけでも取らないということにできないでしょうか。
●病院長 そうすると、今度は逆に不公平になりますよね。外で受診される方とね。医事課として、そういうお金を取らないで診察するということは可能なのでしょうか。
●事務方 業務の中での申し合わせというのが大前提になると思います。ただ、職員の自己負担を優遇していたところで、会計検査院なりの指摘を受けてそういう制度をやめたというところも過去あったと聞いております。
●病院長 多分そっちのほうだと思います。会計検査になると思います。気持ちとしてはわかりますが、法律的に問題があるかなというような感じがします。
●内藤 今、前田さんがおっしゃった診察料の優遇の件に関しては、それが問題になったのは十数年前に職員から一銭も取っていないような病院が結構多くて、それが問題になっていました。その初診料の診療情報提供書の加算ですが、それに関しては何かうまくできると思っていますが、いかがでしょうか。
●病院長 すぐにはなかなか回答できない部分がありますので、検討させていただきたいとおもいます。
●奈良 では、次に移らせていただきます。女性休憩室についてお伺いしたいと思います。

【女性休憩室】
●田畑 医学部2号館の4階に、2005年に男女共同参画事業として医学系研究科で設置した女性休憩室があります。医師や留学生、医局の秘書さん、実験助手等の人々の食事や着替え、仮眠、勉強のために利用していると聞いております。2005年の設置時には、大隅教授より教室員会に対して備品の選定と以後の管理の依頼がありました。設置後の管理は教室員会所属の女性准教授が一人で行っているような状況です。
 管理上の問題点としていくつかあります。医学系研究科は電気錠の暗証番号の管理はしていないため、定期的な暗証番号の変更が行われていない。非常時の開錠、これは病院のほうで行う。利用者の登録処理、個人情報の管理、苦情対応、消防点検業者との対応を女性准教授一人で行っているため、負担が非常に大きいです。
 今年に入りまして、この点について医学系研究科の財務室長及び管理係長と管理人で話し合いを行い、先日行われました研究科長との懇談会でも話題に上げました。その際、施設自体は研究科のものであるけれども、管理は病院の管轄であるので、病院と相談してほしいと言われました。ただ、実際のところ、この施設の教室員の利用はそんなには多くはないのではないかと考えられます。医学系研究科は、使用者間で相談すると良いということを言われましたが、使っているのは医師だけではなくて、実際それをまとめるということは不可能です。先日、教室員会が現状を確認した際に、明らかに外部の人と思われる人も中に入っておりました。室内の清掃や利用、ロックの記録も平成19年以降、一切書かれていないような状況です。今後、この部屋の管理をどのようにしていけばいいのか、今後の展望をお聞かせいただきたいと思います。
●病院長 2号館は、よく回っています。ただ、4階のその部屋は意識していませんでした。先ほど、現場を見させていただいて、床が汚く、管理がきちんとされていなかったと思われました。
 この部屋は、杜の都女性研究者ハードリング支援事業の一環として2005年に作られました。問題点は設置後の管理がきちんとできなくて、要するに放置状態だったと思います。衛生的にもそうですし、それから火災の問題とか、まあ犯罪はないでしょうけれども、何が起こってもおかしくないような状態と言うセキュリティーの問題でもありますので、まずいと思います。利用者もほとんどいなくて、そういったところが我々の建物の中にあるということ自体がよくないと思うので、一旦ここを閉鎖して、今後どのような利用をしたらいいのか、継続的な管理方法をどうするか。医学系研究科と病院側、それから教室員会も入れて話し合った上で、方向性を決めて、また、それを実際にどこが責任を持ってするのかという責任の所在をきちんとした上で、皆さんに利用しやすいようなスペースにしたいと思います。建物は医学研究科の管理になっていますけれども、運営に関しては病院側である程度責任を持つことになっているので、そこら辺も含めてよく話し合った上で利用を再開したいと思います。いかがでしょうか。
●奈良 ぜひそうしていただけるとありがたいと思います。ありがとうございます。
●奈良 続きまして、エレベーター運行プログラムの件についてお伺いいたします。

【エレベーター運行プログラム】
●森川 去年もこの件は話題になっているんですけれども、東病棟、西病棟のエレベーターの運行プログラムについて、昨年、里見病院長から想定の倍以上の利用者がいるので、基本的には根本的な解決は難しいと言われました。その際に、運行プログラムを、昨年の段階で詳細なデータをとったので、コンサルタント業者にこのデータを提出して、いい運用方法を考えていきたいと思っているという返事を頂戴しました。これに関しましてどのような改善方法が見つかったのか、もしくはやはり無理なのかというようなことをお伺いしたいということが一点。もう一点は、改善でよいと思いますが、エレベーターの昇降の表示が、あそこだけ非常にわかりづらいです。真っ白い透明な矢印、我々はわかりますが、一般の方、特にお年寄りの方には明らかにわかりづらい表示になっています。また、「上に上がります」というアナウンスもありますが、これは内向きのスピーカーのみで、外で待っている人はわかりません。そのため、患者さんが待っていて上にいくのか、下に行くのと確認しながら扉を閉めるということもあります。これに関してはかなり改善の余地があるのではないかと思います。
●病院長 これも西病棟が建ったときからの問題で、いろいろ頼んでいるけれども未解決です。1つは、患者さんの回転が昔に比べるとものすごく速くなっていると思います。西病棟と東病棟が建ったころに比べても病棟の利用患者数が非常に増えています。在院日数が短くなったこと、家族の方が多数来られることもあります。さらに、去年の震災以来、13階に検査室を移して、エレベーターの一基を直通にしています。需要が増えているうえエレベーター台数が減っているので、ご不便をかけていると思います。なるべく早く検査室を移して、あのエレベーター1基を使えるようにすれば、多少は待ち時間が短くなると思っています。
 表示に関してもいろいろやってきましたが、なかなか技術的に難しいと私は聞いています。小林室長、どうなのですか。
●事務方 表示に、矢印はランプで上と下がありまして、上が上っていくやつで下が下がるやつというふうになっていて、もちろん見てわかるように光っていますが、それが上か下かわかりづらいというような話です。製造者のほうに、例えばあの模様を変えるとか、例えば張りものをして上矢印とか下矢印というふうな細工ができないかということで、相談しています。
●森川 そのエレベーターだけですね。ほかの病院内のエレベーターは全て目の前に矢印があって、それで階数表示しているタイプのものです。あれは誰が見てもわかりますが、患者さんが一番使いやすいあそこだけちょっとわかりづらいと思います。改善をお願いします。
●病院長 検討していないわけではなくて、いろいろ検討しています。なかなか目に見えた改善がないということで、もう少し工夫をさせていただきたいと思います。

【3号館女性トイレについて】
●奈良 続きまして、3号館の女性トイレの件について。3号館の女性のトイレが不足しているというふうに指摘を受けております。スペースの問題から、新しく造るというのはなかなか難しいと思いますが、できれば女性用のトイレについてご検討いただければと思っております。
●病院長 大変いいご指摘をいただいたと思っています。3号館の改修については、業者が決定して、これから具体的な図面を引いていきます。女性用トイレが不足していることは一応織り込み済みで、増やす方向で考えています。普段我々は各診療科のスペースをどうするか、スペース配分とか、そういったことはみんなよく話し合いますが、こういった共通の問題、こういったところって気付かないところがあるかもしれないので、教室員会のほうで意見があって、こういったところは改善してほしいというのは、まだ間に合うと思うので意見を挙げて下さい。
●事務方 共通部分の設計は今やっていまして、実際、今のプランではトイレの場所を西側のほうに動かしまして、各フロアに男女で、今、女子は1個しかありませんが、2個に増やすというような、業者のほうから提案を受けています。
●奈良 そうですか。ありがとうございます。
●病院長 トイレだけではなくて、もし何か要望があったら早めに小林室長のほうに。
●奈良 わかりました。ぜひそうさせていただきたいと思います。
 続きまして、必須講習会のe-learning化についてお伺いしたいと思います。

【必須講習会のe-learning化】
●森川 医療安全講習会の感染対策講演会というのは、年2回の受講が今必修になって、全職員が履修したと思います。いろいろと時間とか回数とか工夫していただいているのはよくわかりますが、多忙で、なかなか時間を合わせることができないということと、ようやく参加できたと思ったら、かなり席が埋まっていて、後ろのほうで何となく聞いているのかということが実際あります。ですので、このような必須講習会をe-learning化できないかどうかという提案をさせていただきます。
●病院長 忙しくて、その時間帯に参加するというのは本当に難しいです。私も本当に難しいと思っています。ただ、e-learningは、講習内容をきちんと身につけたかどうかチェックができないことがあって、医療安全推進委員会のほうでも検討されたことはあるみたいですけれども、具体的には進んでいません。感染対策のほうもそうです。今年、感染対策と両方一緒にやりましたよね。ああいった機会がたくさんあるといいのかなと思います。1回聞くと2つ点数もらえる形になると思います。それから、貸し出しビデオもあるので、参加を逃した方はぜひ利用していただきたいと思います。
 来週も厚生局の監査が入りますが、必ずそういったところはチェックされますので、病院としては受講率を高めないと。病院の質にかかわる問題なので、ぜひ皆さんにもお願いしたい。こちらのほうでも出来る限り受講しやすいよう改善していきたいと思います。
●事務方 開催についてはご迷惑をおかけしております。それから、大学等でe-learningの活用状況を検討しつつ、今後利用可能なシステムなのかどうかは私どもとしても検討していきたいとは考えてございますので、いましばらくお待ちいただきたいと思います。
●國島 どちらかというと受講をお願いする立場なので申し訳ないですけれども、受講対象者が3,000名ぐらいおりますので、そうすると年に2回というと合同でやっても延べ6,000名ぐらいが受けないといけない。そうすると中講堂等を使っても多分週2回ぐらいは感染対策もしくは医療安全の講習会を開催するような形になります。以前、感染管理室と医療安全で合同で要望書を出したことがあったような気がします。教室員会からISTUとかの絡みでできないかというふうなご相談をしたときに、ISTUのIDを持っていない職員にIDを付与するのにかなりコストもかかったり手間もかかったりというところでe-learning化は少し頓挫をしています。
●事務方 東北大学のIDは皆さん発行されているので、こちらのほうを利用させていただいてと考えたようですけれども、そうすると学生と同じように履修登録というところも入ってきますし、それから、出席されたかどうかというか、そちらのほうを私どもは一番知りたいところです。
●國島 多分来週の厚生局でも個別の履修状況を届け出、チェックをしてくださいというふうに言われると思います。
●事務方 まだそこまで至っていません。検討はいたしておりました。
●國島 結構e-learningを導入している大学も結構散見しますし、近隣の病院でも一部そういうふうなものを使って、後でテストをしてもらってそれを受講記録として厚生局に認められているところもあるようですので、ぜひ職員の人も受けられるようにしてほしいと思います。
●病院長 感染管理室で具体的にどういうふうにやったらいいのか検討していただいて、導入できそうであれば導入していったらいいと思います。
●奈良 ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、施設の改修スケジュールについて。

【施設改修スケジュールについて】
●佐藤 今、3号館のほうでも改修準備が行われていて、あちこちでかなりいろんな工事が進んでいます。ただ、これらのどこをどういうふうに改修していくのか、それから、それに伴ってどの医局が、どこに移動するのか、それから、新しい中央診療棟がいつごろできるとか、こういったスケジュール、計画があまり周知されていない状況だと思います。また、個々の計画が出てきても、工事の工程表、建設工事というか、そういう工程表は出てきますが、それに伴って保守とか診療業務の場所の運用切り替えをいつ頃までにどうするのか、そのための準備をどうやって進めるのかという運用側の、箱物ではなくて運用側のスケジュールというのが明確になっていないと思います。その辺のフォローができないというのが問題です。そのような状況なので、今後の改修ですとか工事に伴う移転について、そういったものをスムーズに進めていく上で現状をどのように改善していくか、その辺の展望をお聞かせいただきたいと思っています。本来であれば、例えば患者さん向けに、外来ロビーに、この病院は何年越しでこういう計画でこんなふうに変わっていきますみたいな広報があってもよいと思います。他の病院でそういうのをでかでかと張り出しているようなところもあります。先ほど3号館の女性トイレの件で要望を出すためにも、基本設計をいつごろやるという情報がないと要望を出すタイミングがわからないですし、気付いたら3号館の工事が始まっていたなど、トイレを増やしてと言っても間に合わなくなってしまうとか、そういう上でも将来のプランが見えるというのは重要だと思いますので、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
●病院長 大まかな改修の過程プロセスについては、医局長会議や科長会議で説明したとおりです。今回業者が決定して、業者のほうでそれが可能かどうか今いろんな細かいところまで含めて検討している段階です。我々が提案したとおり、3、4、5階を例えばプレハブのほうに移して、そこをまず改修して、終了したら6、7、8階が下のほうに降りてきて、それで順繰りというふうな、そして最後に戻る格好にすることが、可能かどうかを検討されている段階です。それに関しては、本部も関係するみたいで、本部施設の西川施設部長がトップでやっているので、なかなか情報が伝わらないということもあります。この間も本部のほうから計画を少し変えたいという話がありましたが、その後聞こえてこないので、どうなったのかなと思っています。確かにいろいろと情報が伝わりにくいところがあるので、それについては少し設計の期間があると思いますから、改善できるところは改善するような方向で考えていきたいと思います。私自身にも情報が今のところあまり入ってこない状態ですので。
 移転に関しては、予算は十分あるというふうに聞いていますけれども、それを具体的にどういった手順でやるのかは、設計図ができたりして、もうちょっと具体化してからの話になるのかなと思っています。
●事務方 3号館につきましては、3階、4階、5階は空いているということで、順繰りに下から上へと進めるつもりだったですけれども、業者のほうからは、逆に排水管等の関係から上から下に下がりたいということで、それは業者とも交渉しているところです。ただ、そのほかに改修は、空けるところだけ決まっているものですから、今それは保健学科の南側のほうに仮設の校舎を造るということで、これにつきましては今現在校舎の取り壊しが終わりまして、来年の1月末完成の予定で進めているところです。実際的には、2月に入りまして3、4、5階は空けまして、その後、3月ぐらいから本格的な内部改修の工事は始まる予定で、各医局のほうにヒアリングをやって、まず平面プランのところを今進めているところでございます。
●病院長 少なくとも私の頭の中では、今のところは工事の過程では特段遅れは出ていないと認識しています。ただ、本当にこのプランでいけるのかどうかも含めて、まだ不透明なところがあるので、明らかになり次第皆さんに提案したり、ご相談することがあるかもしれない。その節はよろしくお願いします。
●佐藤 今現在の工事の状況を教えていただきたいというよりは、何か工事とか移転とかというのがあったときに、どの時期にどういう広報をするかという、その基本的な手順というのが、恐らくないと思います。それで、工事業者が入るとその工事の工程表が出てくるので、それは出せとかというところで終わってしまっているのではないかと。
●病院長 決まったばかりですので、これから具体的なものが出てくると思います。ただ、本部のほうが中心になっていて。小林室長も頻繁に行って向こうとは話し合うようにしていると思いますが、具体的なものが見えてこないので、見えるような形に要求はします。
 病院全体の将来計画と工事の内容や工程についても、きちんと出している病院もあるので、本院はそういった意味で不親切じゃないかと言われています。外来の改修工事も突然始まって、案内も不十分であったと思います。これらに関しては、今後、掲示とか案内とかできるようにしたいと思っております。

【星陵地区における各部局の連携】
●奈良 続きまして、星陵地区における各部局の連携についてです。
●佐藤 星陵地区の現在のネットワークは、病院と、それから医学部や歯学部とも一緒に構築・運用しているという状況です。星陵地区の各部局、それからほかのキャンパスの部局、例えば大学の本部などとも連携を図って、さまざまな活動、運営の効率化が今後一層進められていく状況だというふうに思っていますが、この点について病院としてどのように取り組んでいく考えなのか。ネットワークやグループウェアEASTの、今後どうなっていくかというようなお話もありますけれども、その具体的なお話だけではなく、そういったツールをどういうふうに活用して、どのような戦略をお持ちなのかというところをお聞きしたいです。
●病院長 私の頭の中では、ネットワークを活用していかないといけないと思っています、特に病院の大事な役割として挙げている地域医療支援あるいは被災地医療支援があって、それにICTを活用しないといけないと思います。メディカル・メガバンク構想の中でもそういったのが太い柱であるわけです。ただ、医療情報に関しては、病院に集めないと活用されないと思うので、私としては沿岸部の被災地の基幹病院と、新しくなるときには大学病院とつなぎたい。基幹病院は周辺のいろんな診療所と恐らくつながっていく。仙台市内とかその近隣の医療機関ともやっぱりいろんな医療情報を共有していかなくてはいけない。MMWINが今走っており、冨永先生が一生懸命やっていますし、今回、中谷先生が医療情報学分野の教授になりましたので、彼が今までやってきた路線をさらに拡大して、なるたけ早急に、東北大学病院を中心に宮城県内で被災地を結ぶ医療ネットワークをしっかりしたものにして、医療情報を集めてメガバンクの研究と連結していく。患者さんにとっても診療を受けやすい、我々にとっても地域医療をしやすいような環境を作る。例えば大学病院から地域に行っている医師にいろんな情報をリアルで伝えられる、そういったことは、将来の医療情報ネットワークとして目指していきたいなというのが、私の頭の中にはあります。ぜひ具体化してほしいと思っています。
●國井 私が10年ぐらい前に着任したときには、病院、医学部、それから加齢研、歯学部、それぞれが勝手なネットワークを引いていたため、ルート変更の際には、その調査に膨大な時間を要していました。これを解決するため、病院についてはメディカルITセンター、医学部については情報基盤室という組織を起こしていただいて、ネットワーク担当を配置して頂き医学部、病院のネットワークをトータル的に管理していきました。歯学部にも担当を配置していただいて、今、佐藤大先生、中村先生を含めて、星陵地区のネットワークの管理者の連絡会組織で動いていて、情報共有面で明るくなってきています。今回3・11の経験のときに、臨床検査部の検体検査・生理検査システムの移転がスムーズに実施されたことが、大きな成果です。業者に頼らず、直接職員の手で情報を管理しているという点で、10年前から比べると飛躍的に体制が強化され職員のスキルアップが図られています。ただ、正常に稼働して当たり前の設備ですので、その体制が大事だと言う人たちが極めて少ない。ここにいる執行部の方々もぜひインフラの維持管理の大切さを理解して欲しい。ですから、こういった面では、普段、見えないところのそなえが大事だという事を執行部の皆様もお持ちになっていただきたいと思います。執行部批判のような話になってして申し訳ないですけれども、是非ご認識を新たにお持ちいただければ大変嬉しい。
 あと、今、院長先生が言っていた地域連携、まさしくこれからは地域連携が非常に重要になるので、MMWINのほうの実務的な実装設計が我々でやっています。中谷先生の下で我々が動いています。これも今日、タスクフォース会議が19時から医師会のほうでありますが、要するにセキュアなネットワーク環境を手軽に使える環境作りをしていかなくてはいけないと思います。今、いろいろなところで、いろいろな補助金を使って独自でネットワークを立ち上げています。一つの事例ですが、最近キャッチしたのが、循環器内科で、補助金を使って、救急車の中から心電図情報を県南・県北の拠点病院に送信して東北大学がそれをサポート(コンサル)仕組みのネットワークが引かれようとしているので、それもMMWINのネットワークで対応する方法に切り替えて頂くよう、方針変更の提案を今考えています。そういった個別のルートがいっぱいできるので、非常に無駄な金が投資されることになります。医療のセキュアな環境にプラグイン方式で簡単にネットワークが利用出来る環境を 我々は目指していく必要があると考えています。
 グループウェアについては、組織の中の情報流通はこのグループウェア(EAST)を活用し院内のローカル情報が外部に流出することを防止する役割もあります。インターネットは逆に外部のネットワークを経由して行きますので、情報を拾おうとすれば拾われてしまい情報の外部流出に繋がる恐れがあります。そういう面で、院内での情報流通は、グループウェアEASTの活用が必要です。利用者が徐々に増えてはいますけれども、eメール中心で、EASTの利用者の拡大スピードがあがりません。特に医師の方々の利用が、非常に弱い。また、大きな流れとして、東北大学ポータルとしてのクループウェアを導入する方針が大学で決まっていますので、今後、EASTをこの東北大学ポータルに移行していくことになります。院内(学内)のローカル情報はグループウェアを使っていただきたいというのが私どものお願いでございます。
●内藤 ソフトの面もそうなんですけれども、ハード的なところで言うと、今、2号館、3号館のネットワークはかなり何世代も前の状態で、今、100Mbpsぐらいのスピードしか出ないですよね。今後、手術室の画像診断、画像のそういうワーキングをしていますが、あれが本格稼働するようになると、医局から大量の画像データをダウンロードするということが起こって、このネットワークで耐えられるのかなというところもありますので、そちらのほうのネットワークの拡充というか、アップグレードも早々にお願いしたいと思います。
●病院長 医療情報学分野の教授として中谷先生が決まったので、これから恐らく全力を挙げて、いいものにしていただけると思っています。
●國井 今回、3号館の改修工事の中で、3号館1階にある中検電算室(星陵圏全体のネットワークハブの機能)を外来診療棟地下のサーバールームの一部を借りて引っ越します、その段階でルートを再構成する必要が出てくると思いますので、そういった旧設備も含めて改修するという方針を出したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
●奈良 ありがとうございます。

【電子カルテ】
 では、次に、電子カルテについて伺いたいと思います。
●三須 先ほどネットワークのお話も既にありましたけれども、同じことを含むと思いますが、診療支援システムの移行として、電子カルテ完全移行に向けた議論があり、國井先生、海野先生を中心に検討ワーキンググループを開催され検討いただいております。また、教室員会からもワーキンググループに入れていだいて検討している状況かと思います。
 現在、一部病棟で先行してトライアルを開始され、いろいろと課題などを検討され、今現場でいろいろな問題も出ていることも伺っています。今後の電子カルテに対する具体的な準備や支援体制、また今後の見通しについてお伺いできればと思います。また、理想的な地域医療との連携や医療ネットワーク・クラウドのお話がありましたけれども、電子カルテを安全に保管することが重要と思われます。今後、共有化をどのように計画されどのようにカルテの安全を担保する計画であるのか、メガバンクとの兼ね合い等も含めて、病院側のお考えをお聞かせいただければと思います。
●病院長 電子カルテについては、國井先生のお話があると思いますけれども、手挙げ方式で、もう幾つかの診療科についてはトライアルが始まります。トライアルの中でいろいろ問題点が出てくると思うので、それらを解決しながら、できれば来年の中ごろまでには全診療科で動くような方向で考えていきたいと思っています。まだ問題もあると聞いていますが國井先生、佐藤先生も努力されていて、これだけ大きな組織ですから、いろんなところでインターフェースが違っていて、それをつなげるのは簡単ではなかったと思います。これからはスピードアップしていけるのではないかと思っています。
 医療情報のバックアップは、大事な問題で、特に震災のときに、直前にたしか石巻市立病院と山形市立病院済生館と医療情報を共有していたのが非常に役立ったというのが、全国的にも話題になっています。今年、福井での国立大学附属病院長会議ですか、その席上でも、医療情報のバックアップ体制をどうするのか全国で考えてほしいと東北から提案しています。近いところ同士でバックアップしても大きな広域の災害のときにはデータを失う可能性があるので、遠いところ間で共有とか、考えていきたいと思います。被災した状況を踏まえて何らかの前向きの提案をしていかないといけないと思います。國井先生、いかがですか。
●國井 今、院長先生の方針どおりですけれども、細かく言わせていただくと、トライアルはまだスタートしていません。実は、内藤先生にもお声かけし参加していただきましたが、10月17日にトライアル参加診療科にシステムの出来具合についてご説明をさせていただきましたが、まだ受け入れるためには少し不十分だという評価をいただきました。ただ、1つの診療科(肝胆膵外科)・東8階病棟で、不十分はわかっているので早急に使って、問題を抽出して運用整理や課題を改善する手伝いをさせて欲しいと提案があり、まずそこの1診療科、1病棟の中でパスも1つ選んで、あらかじめマスターを組んで準備を進めるという、それで今、その準備に今月いっぱいかかるという状況です。そういうことで、現場から非常に温かい協力をいただけているので、頑張っていきたいと思っています。
●國井 それから、バックアップのほうは、院長先生おっしゃるとおり、各大学の中で遠隔の中で双方に持ち合わないと、バックアップセンター化すると結構費用がかかります。ですから、ある大学の分をバーターでやって、それぞれのところで費用負担をするとか、そういうふうに経済的にやる方法というところもあります。幸いなことに、星陵地区は海抜50メートルあるそうです。それで、我々、今、外来棟の地下1階なので、地下にサーバールームを置いたとき非常に私、悩みましたが、一応海抜があるということと、それから、星陵地区の地盤がしっかりしているということで、逆に言うとクラウドセンターを東北大で担うこともできるかなと想定しています。あと、もう1つ、目をつけているのが、京大ですね。京都大学も非常に震災に強いというふうな話を聞いていますので、希望としては北海道か京都あたりをバックアップセンターに選びたいなと、個人的には考えております。
●奈良 ありがとうございます。
 では、最後に、倫理委員会についてお伺いしたいと思います。

【倫理委員会】
●青木 臨床研究を推進する上で、倫理委員会の重要性が増大しており、かなりの審査をしていただいていることと思います。ただ、この審査の際に、倫理面以外のこと、私が聞いた限りでは、研究の意義ですとか、メソッドの詳細ですとか、論文のレギュラーのようなことも指摘されることがあるということでした。倫理委員会における審査の評価項目というものを少し明らかにしていただきたいということをお願いしたいと思います。
●病院長 臨床試験推進センターの中で臨床研究の倫理審査が行われている。今回、森委員長の、新しい体制になっています。臨床試験推進センターが立ち上がって、臨床試験の質を担保しないといけない。プロトコルが不十分だったり、研究の内容まで踏み込んだような話があるかもしれません。臨床試験、治験のレベルを上げるという観点としても考えていただきたい。東北6県でTTN(東北トランスレーショナルリサーチ拠点形成ネットワーク)が2期に入って、5年計画で東北大学が中心になって、臨床試験あるいは臨床研究の東北全体のレベルを上げるようなものにしたいと思っています。その中心になるのがこの臨床試験推進センター。今度、12月に開所式のシンポジウムをやりますけれども、それに向けて今整備しているのが、宮城県内の基幹病院で治験のネットワークを作る。東北大学の臨床試験が模範となるようレベルアップしないといけない。そういった一環としてライセンス制を導入しようといったことがあるので、ご理解いただきたいと思います。プロトコルの事前相談とか、支援部門も臨床試験推進センターの中にありますので、聞いていただきたい。
 倫理に関しては、これから大事になってくる。未来型の大学病院になって、臨床研究をどんどんやっていく中で、いろんな倫理上の問題は出てくると思います。それに関しては、今、医学系研究科のほうとも話し合って、社会医学系の中に倫理を取り扱う分野を作ろうという考えもあります。まだ具体化していませんが、学生教育含めて、当然病院のほうの倫理にも関係してくると思う。さらには東北大学全体の生命倫理とか、医学倫理そういったことをきちんとやるような部門ができるとよいと思います。そういった方向に向かっているということはお伝えしておきたいと思います。
●内藤 私もちょっと不満に思っている人間の一人ですが、確かに倫理以外のプロトコルの質だとかというところを聞かれるのは、もちろんこれはいいことだと思いますが、その質問のレベルというのがあまりにもプリミティブだと思うことが少なからずありますので、倫理委員の先生方のレベルアップも考えていただきたいです。
●病院長 意見として必要だと思います。一方向ではよくないので、倫理委員会の質も上げないといけないので、気付かれたことに関しては、委員長なり、あるいは倫理委員会宛てに、自分はこう思うと意見として上げたほうがいいと思います。双方向で質を上げていかないといけないので、先生言われるようなことがあるのであれば、私のほうからお話ししますし、お願いしたい。
●張替 僕も倫理委員会に入っているので、先生のおっしゃることはわかります。倫理以外に利益相反というのを聞かれることもあります。ホームページの手順書を読んでもらうのが原則ですが、なかなかここだけではわかりづらいところもあるので、その辺のポイントみたいなのをちょっと定義するような仕組みもあってもいいかなと考えているところです。委員会に出られた先生、特に若い先生方の気持ちが萎えると困るので、指摘も、否定ではなくて、少し改善するようなアドバイスのような指摘をするように相談をしているところです。ただ、申請者とか科によって非常にレベルが違って、これで申請するのかというレベルのものもあるので、質を上げるためにも、わからない場合は臨床試験推進センタープロトコル支援部門にまず聞いてアドバイスをもらって出すというのは1つの方法です。
 あと、意見書が来たときに、これはどう考えても納得できないという場合は、むしろそこで申請者側から反論してもらう。判定書には指摘事項が全部書かれていますけれども、これはおかしいという事項については、必ずしも全部従う必要はないので、正当に反論してもらったほうがいいと思います。それが委員の質の改善にもなると思います。
●奈良 ぜひそのようにさせていただきたいと思います。私どものほうからお伺いしたいことは以上でございます。今日はどうもありがとうございます。遅くまでどうもありがとうございました。

病院長との懇談会-2




診療問題対策部の報告
教室員会勉強会『医療組織のためのコーチング活用法』活動報告
診療問題対策部 部長 三須 建郎 多発性硬化症治療学寄附講座

教室員会勉強会-1  平成24年12月27日に、教室員会では恒例の事務との勉強会を開催しました。この会は、あるテーマを元に教室員と事務員の交流を目的として開催しており、昨年度に続いて第2回目となります。今回は、日頃よりコーチングを実践され著書も書かれている出江紳一先生をお迎えし、『医療組織のためのコーチング活用法』と題してご講演頂きました。聞く側も参加しながら楽しく実践することができ盛況な勉強会となりました。
 コーチングという言葉をご存知でしょうか。よくスポーツ選手に付くコーチが一般的ですが、ある目標に向かって共に歩む存在であり、その過程で様々な事象への気付きや決断を促していき達成するための技術といいます。信頼関係の構築に於いて、まずお互いのタイプを知り対処法を考える事が肝心ということで、まず出江先生は、人間の4つのタイプについてお話になり、まず聴衆が各々どのようなタイプの人間か問いかけられました。

 コントローラー……野心的かつ威圧的で思い通りに進めたいタイプで、あまり人の話を聞かない傾向あり。
 プロモーター……独創的なアイデアを好み注目されたいタイプだが、細かいことは気にしない面もある。
 アナライザー……慎重・計画的で粘り強いが、失敗を恐れる傾向があり完璧主義的。
 サポーター……人を援助することを好み温和で細かな配慮ができるが、決断力がなくリスクを冒すことに弱い。

 皆さんは、自分はどんなタイプだと思われますか?
教室員会勉強会-2  さて勉強会では、どのような医療組織を作りたいかをテーマに、聴衆の個々人が必要な物を列挙し、そのための準備をどのようにするかを議論しました。予め教室員会で医療組織をどのようにしたいかを問う質問用紙を準備しました(例:左図)。参加者に書いてもらった内容を元に、二人組でお互いに発表しあいコーチングスキルを用いて目標や計画を相手から引出し方向づけるという会話の技術を学びました。様々な立場の方が発表をされましたが、どのような目標を持って職にあたり実践しているのかが良く解り、和やかな雰囲気で会は進行しました。どのようにしたらレセプトをもっと確実なものにできるか、医師にもっと上手く伝えるにはどうするか、どのようにしたら若い人が意欲的に取り組むことができるか等、病院にとっても大事な問題も幾つも出るなど、有意義な勉強会となりました。
 本来は、十数時間は要する内容とは思われますが、出江先生には限られた時間にコーチングのエッセンスをギュッと凝縮して頂き、あっという間の1時間となりました。参加した方々も皆さん満足されており、コーチングの神髄に触れることは出来たのではないかと思います。その後の懇親会では、書記長の計らいで女将さんから名酒が振舞われるサプライズもあり大いに盛り上がりました。
 参加された皆様、そして何よりご講演頂いた出江先生に感謝申し上げます。教室員会としては、今後もこのような役に立つ企画を考えたいと思います。

教室員会勉強会-3

教室員会勉強会-4



留学先で見たこと聞いたこと
File.29 鈴木 教郎 創生応用医学研究センター 新医学領域創生分野

鈴木 教郎


 私は2008年2月より3年間、スウェーデンのカロリンスカ研究所で研究員をしておりました。カロリンスカは、負傷した兵士の治療に関する研究を目的として、1810年に首都ストックホルムに設立され、2010年には創立200周年の盛大な催しもありました。私が所属したCMB(Department of Cell and Molecular Biology)は、総勢200人ほど在籍しており、ほとんどのグループは10人未満で構成されています。スウェーデン人は半分に満たないので、公用語は英語であり、職場でスウェーデン語を聞くことはほとんどありません。

 北緯60度に位置するストックホルムは、夏と冬で人も街も全く別の表情を見せます。イースターが近づくと、急激に日照時間が長くなり、夏至の頃には白夜を経験できます。太陽を拝む時間が長くなることは、それだけで幸福感が得られるものでした。娘たちも「暗くないから夜じゃない」と言って、夜更かしを楽しんでいたようです。草花も短い夏にむけて一斉に咲き乱れ、洗練された町並みを一層際立たせます。冬の間は表情も服装もどんよりしていた人々は、春になると急に明るくなり、オープンカフェで談笑し、日光を満喫します。高齢者と子どもは社会に優遇されており、活き活きと公園で踊っています。

 一方、若者は夜型が多く、早朝までクラブで遊ぶ学生がたくさんいました。そのような学生は、悪びれることなく午後から研究室にやってくるのですが、問題にはなりません。個人主義が発達しているため、善くも悪くも周囲からの干渉は少なく、赤信号でも自己責任で渡ることが許されます。研究所のPIには、個々が仕事でストレスを感じない環境を用意することが求められ、学生は入学時から自分の考えと計画に則り研究を遂行し、独力で学位論文を完成させます。したがって、過度な負担を感じることはありませんが、学位取得に時間がかかります。また、大学院生は競争的フェローシップの受給が義務であり、獲得や更新に失敗すると無条件に退学となるため、中途退学して別の道に進むことも見受けられます。適性の無い学生を支援して無理に学位を与えても、誰も幸せにはならないという考えに基づき、主体的に研究を行う者だけが研究者として生き残るシステムができあがっています。研究者の国籍は様々ですが、スウェーデンでは生命科学研究は労働者の生業ではなく、貴族の余暇であった歴史的背景もあり、研究職に対する捉え方が日本とは根本的に異なるようです。研究費の使途も研究者に委ねられており、厳しい監査もなければ年度繰越も概ね自由です。また、接待でワインを飲んだり、複数の外部資金を1つの設備購入に充てることもできます。日本的な考え方が染み付いている者にとっては物足りなく、焦燥感を感じることもありましたが、カロリンスカでの研究者のライフスタイルや育成システムを理解すると、研究や人生に対する考え方が少し変わりました。

 CMBの隣には、ノーベル賞最終投票が行われる講堂“Nobel Forum”があり、同じ会場で、Nobel Symposiumと銘打ったセミナーが頻繁に催されます。ここではNobelブランドに吸い寄せられた世界一流の研究者による十分に準備された講演を気軽に拝見することができます。このような恵まれた環境にポテンシャルの高い学生が世界中から集まると、驚くことに、プレゼン指導に時間を割く必要は無く、学位審査の頃には自然と上手な発表ができるようになります。

 私も学生指導の機会を頂いたのですが、彼は現在も研究生(PhD candidate)として進学のためのフェローシップを狙う立場にあります。彼曰く「フェローシップ応募者の男女比が7:3でも採択は半々にしているため、男には辛い社会」とのこと。本稿では敢えて触れませんが、しばしば女性優遇が問題になるほど男性が女性を大切にするので、男としては、日本の女性に見て欲しくない社会でもあります。

 真っ暗な朝に幼稚園までソリで子供を送り出したり、深夜でも青空の下でワインを飲んだりと、激しく移り変わる四季のなかで、厳しくも雄大な自然に触れたことは家族にとって大変貴重な経験となりました。外国人の受け入れに寛容で、社会保障や公共政策の先進国での生活は快適で、かけがえのない楽しい時間を過ごすことができました。



留学先-1

留学先-2

雰囲気のあるカロリンスカ研究所CMBの建物(9月撮影)
ラボメンバーと自宅アパートの庭で明るい夏の夜を満喫しながらサッカー日本代表のデンマーク戦を応援中。写真最右が筆者。その右隣から長女(足のみ)、妻、2人挟んで次女。

留学先-3

家族で北極圏(ラップランド)をキャンプ旅行した際に「ラップランドの玄関」と呼ばれる山容(窪み部分)をラップランド側から撮影。


リレーエッセイ ~私の思い出の症例・研究裏話~
File.111 井原 基公 産科婦人科

井原 基公

 既出論文の結論を覆すことは難しい。ましてやインパクトファクターの高い雑誌やその筋で著名な研究室から出された論文は、既成事実として広く認識されているので、新しい知見を発表する場合は細心の注意と労力を要する。分野は異なるが最近の論文(Nature 483, 531?533: 29 March,2012)によると、新規抗癌剤の効果について報告した既出論文のうち、11%(6/53)しか再現性が認められなかったそうである。真偽の程が決着していない場合はまだ良いが、再現性がないデータを参照した論文が更に報告され続けると、数年後にはその分野で既成事実に反対することは難しくなる。
 研究とは既知の知見を更に発展させるものであるため、そのような「壁」を乗り越えるのが当然なのであろうが、未熟な研究者にとって既成事実を否定することは倍以上の労力を要すると思う。
 私が大学院生であった時のことだが、私が出したデータと転写因子研究の大御所の研究室から報告された結果が正反対になった。私は何度もやり直しをさせられ、直接指導してくれていた先輩もボスから追試を命じられたものの、結局私や先輩の結果は既出論文とは真逆の結果であった。当時、蛋白質翻訳後修飾の1つであるSUMO化(Small Ubiquitin-like modifier)の多くは転写活性を抑制すると考えられ、Wntシグナル経路においても、SUMO化の役割は同様であると報告されていた。私のボスはその大御所を日本の学会に招待して友好関係を築いて貴重なプラスミドを譲り受け、私に既出論文の追試を命じた。その結果は前回同様真逆となり、ますます困ったことになった。結局既出論文と逆の結果として論文投稿することになり、2005年にMolecular and Cellular Biologyにアクセプトされた。その後、例の大御所の研究室からノックアウトマウスを用いた論文が発表され、その中に私達のデータと同じ結果がひっそりと報告されてあった。後日談であるが、ボスがその大御所に第一著者について訊ねたところ、彼とは連絡が取れないということであった。
リレーエッセイ  このような経験をした後に私は2006年からペンシルバニア大学生物学部に留学して、卵母細胞・初期胚におけるSUMO化の生理学的意義について研究を続けた。当時SUMOやSUMO化に必須であるE2酵素UBC9 (UBE2I)はPML bodyと呼ばれる核内構造物にも局在すると言われていた。しかし、GV期の卵母細胞においてはSUMOとUBC9の局在が一致しない場合があり、むしろUBC9は主にその他の核内構造物に局在することが判明した。奇遇にもSUMOの論文は同大学医学部生化学教室(Dr. Dreyfuss)の当時大学院生だったDr. Matunisが1996年に初めて報告しており、SUMOの発見以来10年以上もSUMOの核内局在イコールPML bodyという既成概念が一人歩きしていたのである。振り返ってみると大学院時代にもSUMOとPMLの免疫染色のデータに少なからず違和感を感じていた。酵母や培養細胞の核と比較すると、たまたま留学先で用いた卵母細胞の核が大きかったためにSUMOとPMLの局在が異なることに気付いたのであるが、大学院当時は自分自身が出した結果のうち、共局在したデータだけを信じていたことを深く反省している。今回は自分自身のデータを信じて結果の裏打ち実験を追加し、ボスを説得した。幸運にも私のボスとRNA結合蛋白質で有名なDr. Dreyfussは旧知の仲であったため、さまざまな核内構造物局在蛋白質の抗体を分けてもらうことができ、UBC9が主にSpeckle bodyに局在することを示すことができた。その結果は2008年にBiology of Reproductionの表紙を飾ったが(図参照)、あのすばらしい研究環境がなければ直ちに行き詰まりを打開できなかったはずである。
 研究結果が既成事実と異なる場合、何を信じれば良いのか分からなくなるかもしれない。私の場合はボスがその状況を打開してくれ、また幸運にも研究環境に恵まれていたので、いずれも解決することができた。いずれの場合でも人との縁が研究においても重要であることを再確認し、改めてお世話になった方々に感謝する次第である。



運動部の報告  各種スポーツ大会

■ フットサル大会二次リーグ経過

9/17(月)敬老の日
Group A脳神経外科リハビリ科2外科A運動学消化器内科勝点総得点総失点得失点差順位
脳神経外科 3-16-35-13-012175121
リハビリ科1-3 4-11-02-098442
2外科A3-61-4 5-12-06111103
運動学1-50-11-5 1-30314-115
消化器内科0-30-20-23-1 338-54

Group B放射線科小児科腎高内科1外科循環器内科勝点総得点総失点得失点差順位
放射線科 4-03-10-23-1910462
小児科0-4 0-20-31-30112-115
腎高内科1-32-0 0-11-064403
1外科2-03-01-0 3-0129091
循環器内科1-33-10-10-3 348-44

■ お詫びと訂正

 だより18-5(1月号)のP24で誤りがございましたので下記の通り訂正致しますとともに、お詫び申し上げます。

バレーボール大会結果報告訂正表

バレーボール大会結果

優勝 第一外科  準優勝 整形外科  3位 小児科


広報部員のひとりごと

仙台人になってみて

 みなさんは「秘密のケンミンSHOW」という番組をご存じでしょうか。いろいろな地域独特の習慣などを教えてくれる興味深い番組です。関東地方で育った私にはどの情報も新鮮であり、びっくりさせられます。(関東地方の話はあまりないようですが、そこが基準になっているのでしょうか?)そんな私なので、仙台に来てからびっくりしたことが幾つかあります。仙台の人たちにはそんなの当たり前だよと言われそうですが、ひとつは節分で落花生をまくということでした。生まれてこの方、豆まきというのは大豆をまくものだと思っていました。(もしかしたらこっちの方がめずらしい?)子供のころは大豆を家中でまくので、そこら中に大豆だらけになります。小さいのでいろいろなところに入り込み、当然ですが、掃除は大変。それが、こちらではそんなことしないと言われてもうびっくり。落花生が有名な千葉でも聞いたことはありません。でも、落花生なら部屋が汚れないので掃除は楽ですよね。子供たちは落花生をまいていますので、そんな話をしても信じてもらえないのだと思います。ちなみに、恵方巻きというのも知りませんでした。(これは単に知らなかっただけ?)今では当たり前に宣伝していますが、前はなかったですよね。電車のドアのスイッチもかなりの驚きです。寒い地域では当たり前だと思いますが、これもびっくりしました。
 逆になんでこっちにはないのだろうと思ったのはマックスコーヒーです。(今では病院の自動販売機でも売っている黄色と黒の縞模様のコーヒーです。)あの甘ったるい味は好き嫌いがあるかもしれませんが、どこの自動販売機にもあったのでこちらの人が知らないのには驚きました。でも、調べてみたらなんと関東の一部でしか売られていなかったことがわかりました。自分たちの方がめずらしかったわけです。あと、残念なのはテレビ東京がみられないことです。普段から見ていたわけではないのですが、ときどき見たいなと思うことがあり、この間の選挙速報でも話題になった番組とかは見てみたかったですね。ただ、他の県ではもっと見られない番組もあるとか。
 まあ、何を言っても結局は育ったところが基準になるので、慣れてしまえば何ともないですけどね。でも、仙台弁は覚えられないかな。

H.T.


「たわいもない我が家のはなし」

 我が家には3歳の息子がいる。決して甘やかして育てたつもりはないが、一人っ子であるがゆえに母親と二人で過ごす時間が多く、ママ大好きっ子である。性格的に他人との競争意識が弱く、また人見知りが激しく他児と楽しく遊ぶことができないため、このままではまずいと家内と相談し幼稚園年少組に入園させることとなった。学年で一番の早生まれのため4月生まれの同級生と比較して体が一回り小さく、入園する1週間ほど前から両親のみならず両家の祖父母もうまくやっていけるのか不安でそわそわする日々であった。実際に幼稚園が始まってみると登園拒否すらなかったものの、行きたくない本人を何とか説得しながら連れて行く日々がしばらく続いた。それでも少しずつ楽しく通える日が増えるようになり他児との競争意識が芽生え始め、また協調性を身につけていく息子の成長する姿がみられるようになり親として感動の連続であった一方で少し寂しい感じもあった。
 息子の通う幼稚園は隣接する建物にボランティア団体があり、子供達にサッカーや水泳、ダンスなどを教えるプログラムが豊富にある。ある日家内が、そのボランティア団体が主催する子供たちのみで参加する日帰り雪山ツアーに息子を参加させてみてはどうかと提案してきた。本人にどう?と聞いてみたところ、雪のない地域で育ってきた息子は目を輝かせながら行きたいと言い放ったが、子供達だけの参加で両親はついていけない旨を告げたところ、だったら行かないとふてくされてしまった。両親で話し合った結果、ひとまず申し込んでおいて当日朝に集合場所へ連れて行き嫌だったら家に帰ってくれば良いという家内の意見に従うこととした。
 ツアー当日、弁当やスキーウェアを詰めたバックを持たせ集合場所へ。家を出発するときは絶対に行かないとやはりふてくされていたがそれでも抵抗せずついてくる息子をみて、家内はもしかしたら行けるかもと思ったようだ。集合場所に着き、自分が乗っていく予定のパステルカラーの大型バスを見た瞬間、車や大型バスが大好きな息子が「行く」と目を輝かせ始めた。もう一度両親は行けない旨を伝えたが、「友達もみんないるから一人で大丈夫」と自信満々の笑顔を見せたのである。その後は今まで絶対に自分で持とうともしなかった大きくて重いバッグを一人で担ぎながら意気揚々とバスに乗り込んでいった。
 さて、両親はまさか息子が本当にツアーに行けるとは思っていなかったため二人取り残された状態になってしまった。実はこれまで息子が母親の手から一日離れるなんてことは一度もなかったのである。突然息子のいない休日となってしまった両親は、情けないことに夕方の息子の帰宅まで何をして過ごすか頭を悩ませることとなってしまった。結婚前を思い出して映画を見に行くか、それとも普段行けないようなレストランでランチをするか、はたまたショッピングでもするか……。お互い案は出すがどこかうわの空で、息子はうまくやっているのか心配な気持ちでそわそわ落ち着かないのである。しまいには息子の向かった雪山にこっそりついて行って遠くから覗くか?などとなってしまい、結局自宅で宅配ピザを食べながらレンタルビデオを借りて映画鑑賞となった。ところが両親ともにそれぞれ息子が楽しく参加できているか、何か困っていないかと不安な時間を過ごすことになり、結局映画の内容は二人ともほとんど覚えていなかった。結局息子は楽しく過ごせたようで、帰ってくるなり来月は1泊2日の雪山キャンプに1人で参加すると宣言。日々経験を積みたくましくなる息子を見て、親もたくましくならなければならないなと感じる一日であった。

H.I.


双子の不思議

 皆さんは一卵性の双子について、どのようなイメージをお持ちだろうか?お笑いタレントのザ・たっちのようにそっくりな外見、女優のマナカナの「ハモり」のように同時に全く同じことをしゃべる、など。友人、親戚など身近に一卵性の双子のいなかった私の持っていた印象はそんな感じであった。
 我が家には双子の女の子がいる。もちろん一卵性、二人を間違ってはいけないと、しばらくは生まれた時に病院で付けてもらった名前のタグが外せなかった。そのうちに、おでこのうぶ毛の向きが右左逆であることに気がついた。親指をしゃぶる手も左右反対である。両目の大きさの違いも左右逆、寝るときの姿勢も左右逆。違ってはいるが、一卵性だけにミラーイメージになっているのかと驚いた。
 ご飯を食べるようになると、食事の仕方や食べ物の好みに違いが出てきた。あさりを食べる時に、器用に歯を使って殻から身をはがすのだが、1人は上の歯、もう1人は下の歯を使う。食パンを食べる際には1人はパンの耳、もう1人は白くて柔らかいところばかりを食べている。対照的ではあるが、ミラーイメージとは程遠い。
 昼寝の時間や目を覚ます時間は結構違う。親の勝手な都合だが、双子なんだから一緒にしてくれればいいのに、と思ってしまうこともある。時間差攻撃は結構つらい。
 性格も随分と違う。1人は真面目、もう1人は非常にマイペースである。
 最近随分とおしゃべりが出来るようになった。二人で一生懸命会話している。もちろん同時に同じことはしゃべらない。「真面目」が「マイペース」に、早く着替えなさいなどと注意している。しかし聞いていても声やしゃべり方で区別するのは難しい。見た目に頼って区別しているせいか、違いを見つけるのが難しい。
 一卵性の双子。確かに身長・体重などそっくりである。後ろ姿で区別するのはかなり難易度が高い。食べ物の好みなどそっくりなところもたくさんある。しかし随分と違う点もあるものである。同じDNAを持っている二人。同じ環境で同じように育っているように思うのだが。不思議なものである。

T.M.


「空」

 私事で恐縮ながら、昨年秋、母が体調を崩しTK病院に入院、予定の処置にトラブルが起こり、敗血症で生死の境をさまよう状態に陥った。朦朧とするなか、母は虚空に両手を広げて「おかあさん、おかあさん」と呼び続けた。あたかも「おかあさん、連れてってよ」と懇願した母親に「こっちへ来るな、帰りなさい」ときつくしかられて、それでも後追いしている子どものようであった。TK病院担当医の対応に数々の疑義をもったわれわれ家族は、消化器でも名高いSK病院に一刻も早く転院することを決心した。在宅主治医の格別のご配慮もあり、SK病院のI院長は、快く受入れを約束してくださった。しかし、希望の個室に空きが無い。そもそもSK病院は、震災の特例措置で満床どころかそれ以上の入院を受入れており、空床はそもそも無かったのだが、無い空きをこしらえて無理繰り入院させていただいた。久しぶりに、母の腹の中を拝んだオペもうまくゆき退院、現在、在宅療養を続けている。  そうこうしている9月27日、「岡部先生、先ほどご自宅でお亡くなり」とのメールが入った。かずかずの在宅看取りを実践された岡部健先生、午後7時15分大往生のお知らせであった。『看取り先生の遺言』(奥野修司著、文藝春秋、2013年1月刊)にも詳しく書かれているが、岡部先生生前の精力的な活動のなかで特に印象深いのは「死に逝く者への道標」としての「お迎え」の積極的意義付けである。岡部先生とは様々なお仕事をご一緒させて頂いたが、私にとって岡部先生の最も大きな学恩は「お迎え」である。先に逝った極近しい人が臨終に先立ってあの世から迎えに来てくれ、安心してこの世に別れを告げることができる(諸岡了介、相澤 出、田代志門、岡部 健「現代の看取りにおける〈お迎え〉体験の語り~在宅ホスピス遺族アンケートから~」東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」、『死生学研究』第9号、223-205, 2008-03.http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/20443/1/da009010.pdf)。  岡部先生の「お迎え」をおもんみると、般若心経「掲帝掲帝波羅掲帝波羅僧掲帝菩提僧莎訶गते गते पारगते पारसंगते बोधि स्वाहा gate gate pāragate pārasaṃgate bodhi svāhā!」を思い起こす。私には「先に逝った、今は亡きあの人が、向こうからわざわざお迎えに、一緒にゆくから心配するなよと来てくれた。もう迷いは無い。いざ、さらば!」と聞こえる。「無有恐怖遠離一切顛倒夢想究竟涅槃अत्रस्तो विपर्यासातिक्रान्तो निष्ठनिर्वाणः atrasto viparyāsātikrānto niṣṭhanirvānaḥ」「もう恐怖は無い。すべての迷いやしがらみを乗り越えて、涅槃にいたるばかり。」岡部先生は、かねて「親父がむかえに来てくれる」「やっぱり親父だね」述懐されたが、果たしてその通りであったと思う。今頃、親父さんと涅槃で酒を酌み交わしているかも。この「ひとりごと」を認めながら、岡部先生の笑顔とシャイな語り口がみるみるよみがえって、先生がすぐそばにお出でになって、この原稿を眺めていらっしゃるような感覚になっている。あらためて、岡部先生に合掌。  我が母は、sepsisであの世に逝こうとしたが、先に逝った祖母が、「まだ早い。さっさと帰れ」と追い返してくれたものと感謝している。自分の時は、やはり親父が迎えに来るかな? ṣṭha

ANONYMOUS


教室員会からのお知らせ

広報部

教室員会だよりVol.19 No.1発行のお知らせ

次号は、2013年5月吉日発行の予定です。
皆様からの投稿をお待ちいたしております。


保険加入について

 福利厚生事業の一つとして、生命保険の団体扱い、または勤務医師賠償責任保険・所得賠償保険の団体扱いについてご案内させていただきます。
 下記の保険会社と団体契約を締結しておりますので、一般で加入するより安い保険料となっております。
 ご希望がありましたら、教室員会(内線7818)へお問い合わせ下さい。

団体扱いが可能な生命保険:日本生命、第一生命
 (すでに、日本生命、第一生命に加入済みの方でも団体扱いへの切り替えは可能です)

勤務医師賠償責任保険:東京海上日動火災保険㈱
所得補償保険:東京海上日動火災保険㈱


編集後記

 あの震災から、間もなく丸2年が経過しようとしています。沿岸部では、未だに瓦礫が残っていたり、既に更地になったりと、様々な状況が混在しています。多くの地域で共通しているのは、生活が全く元に戻っていないという点です。それでも遠方の友人から「もうすっかりきれいになったんでしょ?」などと聞かれて、がっかりすることもあります。『風化』とはこういうことかと、実感しています。
 さて、2月まで奈良委員長のもとで活動してきた執行部が、この3月から内藤委員長の新体制に移行しました。今号の教室員会だよりは、旧体制での最後の発行となります。新体制での教室員会だよりも、よろしくお願いします。

佐藤  大 メディカルITセンター